華のある歯医者と滋味のある歯医者
ポルシェに乗っている友人の勤めている歯科医院は、先生が6人程いて院長以外は若くて全員イケメン、患者はそれを楽しみにした若い女性ばかり。軽音楽のかかった洒落た装飾の室内。あまり男は行かないほうのがいいような気がしてくる。
院長はやり手でこのような医院を3ヶ所も持っていた。ホストクラブみたいなものだった。
それと対照的なのが、僕の仕事場の近くにあった歯医者だ。建物は古く、治療室は清潔だったが最新な治療器具は何も置いてない。
先生は一人しかいなくて、熊みたいに毛深い太った先生だった。見るからに痛そうな治療をしてきそうなのだが、実際は正反対で、心が慈しみに溢れた先生だった。腕が凄く良く、全然痛くしたりしないのに、痛くないか? 大丈夫か?と常に細心の注意をはらっていた。しかも治療時間が短く、通院日数も少なかった。
患者は若い女性なんて一人もいない、老人ばかりで待合室は賑わっていた。お爺さんお婆さんに絶対の信頼があった。
心からホットする歯医者だった。